優輝さんは、体調のことを言ったんだ。


ただ、それだけなんだ。


だけど、その言葉を貰った瞬間私は樹先輩と出会ってからのことが一気によみがえってきた。


とてもじゃないけど、『安心』できない学校生活。


自分を守るために、『無理して』でも身につけなきゃいけなかった護身術。


「あ…り、がと…」