どうしよう。


こういうとき、なんて返事をすればいいんだろう?


せわしなく樹先輩が張ったテープをなぞり、優輝さんの元カノのことを思う。


知らないその人は、きっともうこの世にはいなくて。


そんな彼女に、私は似ていて…。


その瞬間、テープをなぞっていた私の手を、優輝さんが強く握り締めた。


驚いて、動きが止まる。