【澪王】



歌ってる時、なんとも言えない高揚感を得る。



ハイになって、アドレナリン出まくりで。



あぁ、俺って歌うめぇな~って思う。


ナルシストと言われても、否定はできない。



「相変わらずうまいわね」

「社長、俺らの仕事場くんのなんて久しぶりっスね」



珍しく社長がやってきた。



相変わらず若い…。



そして怖い。



「誰か何かやらかした?」

「澪王じゃねぇの?」



俺じゃねぇだろ!?



最近何にもしてねぇし…。



「澪王、ちょっといいかしら?」

「俺かぁ~…。最近目立った動きしてねぇのに…」



社長とふたり、部屋の外。



まさかシュリのことがバレたとか?



それはさすがにヤバいよな…。



社長のお気に入りのシュリだし。



びくびくしながら社長の言葉に耳を傾けた。



「さて、どうしましょうか」

「うわっ…マジかよ…」

「あの子たちにはまだ言ってないの。実の母親が名乗り出てることは」



見せられたのはスクープ記事。