ノスタルジア







「……知景」




視線を私から後ろにずらして、そう呟く彼。





知景の言葉の意味を、私は理解できてない。





「"澪が起きなくて玄関開けられないから、また違う時間に来て"って言ったよ。キキは」





違うよ、知景。



私そんなこと言ってない。






「だけど、また来るのめんどくせーからさ。俺が言ったんだよ。開けても大丈夫だって」





「知景……お前」




「心配しすぎだって澪は。別に玄関開けるくらいどーってことねぇじゃんか」




「……っ!」




「澪……!?」







ようやく、知景が私を澪に叱られないようにとかばってくれていることを悟る。




だけど、弁解するには遅くて。






眉間にシワを寄せた澪が、ガッと知景の胸ぐらを掴んだ。