「澪、知景来たよ」
「…………」
やっぱり彼は、なかなか起きない。
ひょっとしたら寝苦しくて、ついさっき寝ついたばかりなのかもしれない。
そう思うと、起こすのを少し躊躇ってしまう。
相手は知景と分かっているんだし、扉の穴から向こう側を覗いてちゃんと相手も確認すればいい。
それなら、別に彼を招き入れることくらい……。
やっても大丈夫なのではないだろうか。
そんな考えが頭をよぎる。
この人が、私を外に出すことをどんな理由で恐れているのかは分からないが。
こんなときくらい、許してもらえるのではないだろうか。


