ノスタルジア






「不思議ね。猫も桜の綺麗さに見とれるんだ」





微笑ましい光景だとそう言う。






隣で手を繋いだ彼が、ふわりと優しい顔で笑った。






彼女も初めて見た、思わずときめいてしまうほどに素敵なその笑顔。












「ずっと見たがっていたからね」










「え?」









呟かれた意味深な彼の言葉に、思わず首を傾げる。




だけど彼はそれ以上何も言うことなく、女の子を引っ張ったままその仔猫の横を通りすぎた。