ノスタルジア







「どうしたの?」




「…………」







質問に答えずに、ただ一点をボーッと眺める彼の視線を追う。







「……猫?」








そこに居たのは、1匹の黒い仔猫。







数メートル先にある休憩用のベンチに座って、真上からヒラヒラと落ちてくるピンク色の桜を。





じーっと見つめている。