"阿呆だな。猫と人じゃあ、寿命も世界のなかでの扱いも違う" "この世界ではよっぽどのことがない限り、捨てられる人間など居ない" "しかし、猫はどうだ? 捨て猫やら野良猫やら、吐き捨てるほどいるぞ" "そんな奴らに自分から好んで生まれ変わるだなんて、良い選択だとは思えんな。お前は幸福を願わないのか?" その男が面白いことを言うものだから、珍しく主は真面目に答えた。 だが、その男はただ穏やかに笑うだけだった。