ノスタルジア






「キキ、いるのかい?」






相変わらず人影のない向こう側に、そっと呼びかける。





……返事はない。








水の音も何も聞こえない。









「……開けるよ、キキ」









お願いだから、そこにいて。





この扉を開けたとき、どうかキミはそこにいてと。








グッと力の入ったドアノブをひねる。