ノスタルジア






「キキ、どこにいる?」




姿のない彼女にそう呼びかけて、ベランダ、キッチン、寝室、自室。




扉を開いて覗いては、いない彼女を目で追おうとする。






不思議だ。





彼女は外には出ていないはずなのに。




今この家には、声どころか物音ひとつ聞こえない。





澪! と、僕の名前を呼んで駆け寄る愛しい彼女を、脳裏に浮かべる。







そして、急激に僕の心を蝕み始めた。





恐怖。