ノスタルジア






彼はまた、俺とキキのために食料を運んでくれると笑って言っていた。




僕はそんな彼になんと言っていいのかすら分からず、もう一度深く深く頭を下げてから、彼の家を出る。






「またな、澪!」







そう言って笑った屈託のない彼の笑みを、もっと早く大切なものだったのだと気づくことができていれば……。





少しは彼を傷つけずに済んだのだろうか。







帰り道。






雲のないオレンジがかった空に、目を細めた。