「今日は知景、夕方に来るから」 「…………うん」 どこか余裕というか、普段通りというか。 彼を意識しているのは、どうやら私だけのようで。 それがまた、なんとも悔しい。 斜め後ろで、パタリと冷蔵庫の閉まる音が聞こえる。 今までだったら、無意識に振り返って確認していた彼の行動も。 意識しすぎて視線をテレビから離せなかった。