「殺せるわけ……ないじゃないか キキが好きだから────」 私のぐちゃぐちゃの泣き顔に、綺麗な彼の顔が近づいて。 こばなきゃいけないのに。 私は貴方から離れなきゃいけないのに。 「死なないで───キキ」 「……っ」 重なった冷たい唇に、またとめどなく涙が溢れた。 それは、初めて聞いた彼の本当の気持ちだった。