「だけどアヤノを誘拐してから3年経って
ようやく目を醒ましたとき、
そこに居たのはキキだった。
僕がずっと憎んできた
アヤノをずっと苦しめてきた
卑しい仔猫。
すぐにでも殺そうと思った。
きっとキミは知らないだろうけど。
キミが寝ている間
その細くて白い首に
手を回すことが何回もあった。
……だけど、いつもその先ができなかった。
だって、そこにいるのはキミであって
キミじゃない。
その顔で、その声で俺の名前を呼ぶキミを
僕は知らないうちに
居ないはずのアヤノと重ねていたから」
そういえば、時折見つめる彼の瞳には。
私と誰かを重ねているような視線を感じることがあった。


