自分でもよく分からない。 だけど気になるのだ。 きっと彼は私の知らないことをたくさん知っていて。 私の知らない世界をたくさん見ている。 私が気にしているのは、そんな彼の中でのほんの些細な一言。 なぜこんなに気になるのだろう。 彼は、ずっとこうやってわたしのそばに寄り添ってくれていて。 きっと、それはこれからも変わらない。 ううん、変わってほしくない。 この人とずっといれるのなら、この毎日に変化なんて必要ないのだ。 なのに、私は口に出してしまう。 「……アヤノ……って、誰?」