ノスタルジア







「隣にいてもいい?」




「いいよ、おいで」






ベランダに出て彼の隣に寄り添うように近寄った。



ただ隣にいようとしたら、いつのまにか腕を引っ張られて前みたいに彼の膝に座らされた。





ほろ酔いした彼と、静かに目が合う。








「今日はなんだか静かだったね」




「私?」




「君以外にこの家に誰がいるんだよ」




「あ、そうか」







小さく納得して、なんとなく目を逸らす。





彼は不思議そうに首を傾げた。