それは、不思議な。 初めて聞いたのに、どこか懐かしい。 知っているようで知らない、彼が作った物語。 ──────────── あるところにいた男の子と女の子。 その2人がお互いに抱いていた感情は恋ではなかったのだけれど、曖昧な境界線のなかお互いに依存し合う不思議な関係だった。 女の子は、1匹の猫を飼っていた。 黒くて小さな、なぜか男の子にはなつかない仔猫。 男の子はその仔猫が嫌いだった。