──────────── "アヤノ" 昨日の夜、確かにそう聞こえた。 寝ぼけていたはずなのに、それだけは何故か鮮明に覚えている。 「澪ー……」 「……うん」 彼は今日もまた、いつものように庭に出てお酒を飲んでいた。 今日は昼から少し曇り空で、あまりよく星が見えない。 白い椅子に膝を抱えて座っている彼は、それを一人嘆いていた。 星が好きなのだろうか。