ノスタルジア






「そろそろ……時間が過ぎるね」




「……え?」







しばらく2人で歩いていると、夕日を見つめた彼女がぽつりと呟いた。




彼女の視線の先を追いかけて、その言葉の意味を知る。





「……沈み始めたな」




いつのまにかさっきより沈んでいる夕日。




形を変えながら、動き出した雲。





ついさっきまで止まっていた時間が、動き出したようだった。




別に、あの夕日が沈んだら夢が醒めるだなんて言われたわけでもないのに。





何故だろう。





不思議とそれは、終わりを知らせるカウントダウンなんだと心のどこかで思っていた。