ノスタルジア







「あのときもし澪があたしの手を掴んで


あたしはこうなることなんかなく助かって


だけど、キキは死んじゃって。




それでも"アヤノは生きてた、良かった"



なんて貴方が言うものなら。



その涼しい顔、何回だって殴ってやるわ。





そんなこと言われて



あたしが喜ぶとでも?






そこに残るのは、後悔と自分の無力だけ。






澪、貴方がキキをよく思っていないのは


知ってるの。





だけど、あたしはあの仔を守るわ。





もし澪とあたしの間にある


恋愛感情でも友情でも同情でもない


目には見えない"繋がり"があるのだとしたら。





それはきっとあたしとキキの間にも


貴方とは違う何かの"繋がり"が


あったのだと思うの。






……お母さんが愛したあの仔を



あたしは見殺しなんてしない。








お母さんが愛したものを



あたしが愛することで……



きっと、お母さんとの間にも



キキを通した"繋がり"が



あったんじゃないのかな。





なんて。




馬鹿みたいな話だけど。







それでもいい。




私はこうなったことを



悔いてなんかないのよ」