自分より、母親に可愛がられるこの仔猫を。 アヤノは決して邪険に扱ったりはしなかった。 猫が好きだと聞いたことはなかったはずだから、元々飼いたかったわけでもないこの仔猫を。 何故か彼女は哀しい笑顔で可愛いがる。 やめてくれ。 そんな笑顔見たくない。 だって俺は、アヤノにそんな顔をさせるこの仔猫が。 君が可愛がるから、何も言わない。 だけど本当は……俺は、キキのことが。