「ニァー」 キキは、少し前にアヤノの母親が拾ってきた仔猫だった。 言い方は悪いが、"金"と"欲望"以外に全くとして興味のない彼女の母親が飼うと言ったのだ。 ……とアヤノから聞いたときは、心底驚いた。 自分の娘に対して、情も繋がりも持っていないあの人が仔猫を飼う? あり得ない。 なんの気まぐれかは知らないが、あの人にとって仔猫を飼うなんてことは、きっとただの暇潰しでしかないのだと。 その時の俺は思っていた。