ノスタルジア






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「どこに行きたい?」




美容院を出て少し人気の多い街中に入ってから、隣で彼がそう微笑んだ。




もちろん、手は繋いだまま。




周りから見たら仲むつまじい2人に、私たちは見えているのだろうか。





「うーん……」





いきなりどこに行きたいかと聞かれても、外に出たのは今日が初めてで。



もちろん、こんな人がたくさんの場所に来たこともないし。




まだ怖い気持ちが半分。




どうしていいやら、戸惑いの気持ちが半分。







唸りながら頭をひねる私を、澪は楽しそうに見ている。