ノスタルジア







「本日はどうなさいますか?」




「この子のカットをお願いします」



「かしこまりました。ちょうどお一人分空いてましたのでこちらへどうぞ」





受付のような場所でそんなやりとりを交わしてから、にこりと笑った女の人が私を誘導する。




「お連れさまはこちらのほうで」





大きな鏡やら髪を切る道具やらがたくさんある部屋へと連れていかれる私と、受付のそばにある待合室に座らされる澪。




一気に心細くなる私を、澪は呑気に手を振って送り出した。






「……澪のバカ」




「はい?」




「っあ、いや……」





「足元気を付けてくださいね」






むっと待合室のほうにいる澪を睨むけど、彼の視線はすでに開いた雑誌の中だった。