ノスタルジア






─────ガチャ





リビングの扉を開けて、ひょこりと頭だけを出す。






「ちゃんと着れた?」





そんな私を彼はソファーから微笑ましそうに見た。





「似合ってるかな」



「見せてくれないと分からないだろ」



「だって、こんなの着たの初めてだし……」



「ったく……」






なかなか姿を出さない私に、ハァとため息をついた澪が近寄る。