私はおかしいのだろうか。 昨日見た彼のあの表情を、あの言葉を。 心から怖いと感じたはずなのに。 前みたいに優しい笑顔で私を呼ぶ今の彼に、また惹かれていく。 呆然とする私に差しのべられたその愛しい手に、私は何の躊躇いもなく自分の手を重ねた。 この優しさが、さよならを告げるカウントダウンだとは。 まだ知らない。