ノスタルジア






とりあえず、彼に呼ばれるがままリビングへと向かうと。




「遅い」




うっすら口角をあげて、そう笑う彼。




まるで、昨日のことなんて何もなかったかのように怖いほどいつもどおり。




だけど、いつもは昼にならないと起きない彼がなぜか早朝に起きていて、朝ごはんの準備までしている。






不思議に首を傾げた。






「おいで、キキ」






コーヒーの入ったマグカップ片手に、彼はソファーの横へ私を呼び寄せる。