【短】ハロウィン*マジック

「…………あっそ」



「照れんなよ」



ニヤニヤと意地悪く笑う美春。



――やっぱ、ムカつく。


だから、渾身の力を込めてぎゅううううって抱き締めてやった。のに。

美春は何ともないって顔で笑ってる。


……なんか、悔しい。



「……私ばっか好きじゃん…」



拗ねるしかない。

目を細めて美春を睨んで、ポツリと呟いた。


すっこい小さい声で言ったのに、ちゃんと聞こえたらしく――、


美春が、破顔した。


そのとても嬉しそうな顔に、私も心臓が締め上げられてしまう。


なに、その顔…

どうして、そんな――



美春の顔まともに見れない――と思ったら、キツく抱き締められた。