【短】ハロウィン*マジック

「ふーん?じゃあ、これ食べさせて」



「……た…?」



まだクッキーが入った袋を私の方に向けて渡そうとする美春。


しばらく考えたけど、だんだん恥ずかしさにも慣れてきたし、美春に近付いて袋を受け取った。


そしてクッキーを摘まんで――、



「……はい」



あーん、は、言わない。
ギリギリの譲歩ラインである。

美春も察しているのか何も言わずに、差し出したクッキーをパクリと食べた。



「……別に無理して食べなくていーよ」



「なんで?うまいって言ってんじゃん」



不思議そうな顔をしながら咀嚼している美春。