【短】ハロウィン*マジック

◆◆◆


着替えましたよ。ハイ。

魔女の衣装に、
猫耳カチューシャ着けて、
尻尾がチラリと見えてるよ!

恥ずかしくないわけがない。
コスプレなんてしたことないし。


そんな私をじっくりと眺めて、パシャパシャと写真を撮っている美春。

――絶対あとで消す(スマホぶっ壊してやる…!)。



「……まあまあだな」



「何様だよ」



期待通りの反応で、いつもみたいに軽口を叩けた。



「――嘘。可愛い」



「……え?」



いま――なんて?


美春が可愛いなんて、

言うわけな――…



「可愛い」



「~~~ッ!?」



絶対、嘘だ。
可愛くなんてない。

嘘だとわかっていても、


美春が、

滅多に見せない柔らかい笑顔で、
低く包み込むような優しい声で、

そう言うから――…


ドキドキ心臓が煩い。

顔が熱い。
きっと真っ赤になってる。