「おはよ。朝から楽しそうだね」



「えへ」



「つか、ウィー伸ばし過ぎだろ」



後ろから、新たな声。

瑞樹くんと一緒に振り返れば、眠そうな顔で靴を履き替える美春(よしはる)がいた。


ちなみに私の彼氏です。

もうすぐ付き合って1年経つかな。



「あれ、美春いたんだ?はよ」



「はよ」



「“みはる”ちゃんおはよ~」



「……みはるって呼ぶな」



笑顔で“みはる”に挨拶したら睨まれた。わあ怖い。眠そうな顔はどこへいったの。ちょう怖い。ごめんなさい。



「……とでも言うと思ったか!」



「何も言われてねぇからワカンネ」



「あは、相変わらずラブラブだねー」



美春の冷ややかな切り返しに、瑞樹くんが楽しそうに笑うので、その背中をバシバシ叩いてあげた。



「えー?やだあ瑞樹くんってばもうっ!」



「……ババくさ」



「ネタに決まってんじゃん!」



真顔で蔑まれたよ?
私、彼女だよね?

あれ?何でコイツと付き合ってるんだろう?