部屋の引き出しから携帯電話を出した。充電器もある。部屋のコンセントに充電器をつなげ、充電しながらボタンを押した。

 旧式。古い。飽きられたものって、ダサくなる。化石か。でも、化石だと歴史がわかるから、悪くないか。

 ガラパゴスって最初、まったく意味がわからなかった。どんなものでも、名前をつけると、理由や価値ができるものだ。それがいつの間にか浸透して、逆に気がつくと忘れられたりもする。そういえばガラパゴスって日本にもあるとか。どこかの島に自然があって。んー、あまりわかっていない。

 これ押したら煙が出て、なんてびっくりはないだろうな。ちょっとためらったら、テレビがつけっぱなしだったので、テレビ本体の主電源のボタンを指先で押して、消した。

 では、主人公特権発動!

――

 瞬間移動していた。

 どこだ。

 すぐ後ろに白い壁があった。