「あ、そうだ。これメモってきたんだけど」

 メモ帳に書いてきたあれを友人に見せる。

売春・レイプ・妊娠・薬物・不治の病・自殺・真実の愛が「七つの大罪」

「ネットにこんなのがあって。さすがにこれは出尽くした感があるけど、このうちひとつぐらいないと読んでもらえないのかね」

「それとこれとは関係ないんじゃない? もうちょっと違うのにしてみるとか」

 そう言って友人は印刷した文章が書かれた紙の束をテーブルに置いた。テーブルにぶつかった黒いクリップがカン、と音を立てた。

「うん、そうなんだけどね。いまはみんな、甘くて切なくて、幸せなのがいいみたいなんだよね」

 あたしの言葉には棘が見え隠れする。どうしてこうなってしまうのか。

 ふーむ。今度会うときまでにできているかはわからないが、時間つくってやってみようかな。