放課後ラプソディ

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 あたしたちは、六坂のお母さんから届いたメールに書かれていた、知らない大学病院に向かった。

 え、あたしも? なんて思わなかった。それこそバカだ。……というのは、ちょっと嘘で、六坂についていっていいのか、ためらいはあった。なんていうのかな、勢い。巻きこまれちゃった。そう、勢いでなにかしてしまったほうがいいことってあるんだよ。

 六坂がキレて、霧恵を殴らなくてよかった。

 あたしだって、六坂と霧恵の普段の性格、知っているし、知っているつもりだし、二人とも、誰かを殴るような人ではない。でも、例えるなら、ビー玉とビー玉がぶつかりあったとき、それらがどこに行くか見当もつかないのと同じように、どこでどうなるかなんて誰にもわからない。人と人が、出来事と出来事が、感情と感情が、あらゆるものがぶつかって、化学反応を起こしたり、混ざりあったり、その逆で、どこまでも平行線をたどるときもあるだろう。

 などと考えていると、あたしだけ遅れていた。二人とも歩くスピード、速いよ。