たくさんの点を思い浮かべた。その点と点をつなぐ線。点が、自分や他人で、線が関係。そうすると、いるのかもしれない。その線の先が、いつまでたっても来ない点が。誰ともつながれない人が。

 誰にも気づかれず、ひとつの点として、いる。

 まるで宇宙の星のように孤独じゃないか。大げさかな。でもそれってしんどくなりそう。

「ほんとささいなことでキレたっていいことないよ。今日だって、サラダに入ってたクルトンが思ってる以上に固くってさ。せんべいかってツッコミたくなったぐらい」

 急にクルトンの話をした霧恵に、思わず笑った。

 あれか。昼ごはんでコンビニのサラダ食べていたね。シーザーサラダを。思いだしたよ。

「だってガリッってすごかったんだよ」

 うん、どうでもいいね。キレることでもないしね。短気は損気って、ほんとまさにそのとおりだよ。


――

 放課後、あたしは霧恵と六坂と教室にいて、帰ろうとしていた。

 が、なぜかいつもと変わらない光景のはずなのに、妙に胸がざわついてしまった。さっきの、宇宙の星のような孤独について考えたせいか。