放課後ラプソディ

 あとは、飽きたとか、年齢が上がるにつれて、ファンも卒業とか。気がつくと、いなくなっている。

 あの二人の人気だって、ファン以外にはいっさい通用してないと思う。友達の口からハックルベリーってコンビ名が出たことないし。

田中「じゃ、曲行きます」

 田中さんの声で、「ハートに火をつけて」の前奏が流れだした。

 芸人さんって、一瞬一瞬なんだろうな。資格とか免許があって芸人、ではない。すごくあやふやなものが土台になって成立しているんじゃないか。

 わたしはまだ、ハックルベリーのファンはやめない……、と思う。自信ない。近いうちに飽きて、いつの間にかハックルベリーをテレビで見かけても、録画もしないでチャンネル変えるかもしれない。

 友達にも言ってない。お笑いが好きとか、ハックルベリーのファンだとか。なんとなく、好きなものをたくさん知っている人って、人が離れていく気がしてしょうがないから。
 オタクって、市民権を得たけど、やっぱりまだありのままを受け入れる人って少ないと思う。

 だったらわたしは芸人さんのオタクってことになるのかな。自分ではそんな風には思ってない。ただ、好きだからいろいろ知りたくて、気がついたら劇場に行っていたっていう。あ、それがオタクなのかな。