そんな気持ちを抱えたまま、学校に向かって。案の定私は1限目の授業の終わりに貧血をおこした。

もう、自分が弱すぎてイヤになる。


「じゃあ、ちょっとやることがあるから離れるけど、もし気分が悪くなったり体調の変化があったらすぐ言ってね」

「はい」

保健室の先生が職員室に行ったあと、私は倒れるようにベッドに横になった。

ここで寝るのは2回目だ。

プールに入って、須賀に助けられて。

水、水、水……。

水なんてないのにブクブクと体が沈んでいく感覚がして、息苦しい。


「あ、サボり魔はっけーん」

それなのに、一番水に近い人がいつも私の隣にくる。


「調理実習で指切っちゃってさ。あ、間宮の分のクッキーは同じ班の人たちが取っておくって言ってたよ」

そういえば2限目は家庭科だったっけ。

紗香と作ったものを交換しようって約束してたのに。


「どうせ朝めし食ってこなかったんだろ?俺なんて朝から大盛のごはん3杯食って、それでも足りなくてコンビニでパン買ってふたつ食ったっていうのに」

「………」

聞いてるだけで胸焼けしそうな食欲。


「熱はねーな」

「……ちょっと!」

目を合わさないように窓際を向いて横になってたのに、突然後ろから手が伸びてきて、おでこを触られた。