オレは、ちらりとそんな美空を見つめる。 さっき、坂口から借りたらしいCDを自慢気に見せている姿にムカついた。 『…オレ、今日からそのアーティスト嫌いになった』 なんて、ポツリと呟くと、美空は不思議そうに首を傾げ、オレを見つめている。 そして、心配そうにオレを見ながら、 『どうかしたの?千明…』 そう呟いて、オレの方に手を伸ばしてきた。