『ねぇ、久住ちゃんは〜、なんで千明くんと仲良いのぉ〜?』
そう言って、微笑む有賀先輩にだんだんと人気のない校舎の端に連れていかれている気がするのは気のせいだろうか?
…気のせいであってほしい。
私は、切実にそう願いながら、
『ぜ、全然、仲良くないですよ、千明は、私のこと男友達みたいだっていつも言ってるんで』
一言呟いた。
『へぇ〜?そうなんだぁ、でもぉ〜、私は千明くんが久住ちゃんのことすごく特別扱いしてるな〜って思うんだよね』
…へ?千明が私を特別扱い?
『い、いや、そんなことはないと…』
“思いますよ”
そう言おうとしたが、私はその言葉を言う前に口を閉ざした。



