『あのさ、千明、やっぱりもどらない?』 だんだんと入り口から遠のくたびに、不安な気持ちにかられた。 ちなみに智くんはというと、 一応、全員で入るのもあれだし、千明の機嫌もよくないから、外で待ってる 私がトンネルに入る前にそう言って、送り出してくれた。 『ね、千明ってば』 千明は、いまだに私を無視しているらしく何の反応も示そうとしない。 ただ、黙々と、トンネルの奥へと進んでいくだけ。