――…


それは、私のあのサプライズな誕生日から2週間ほど経った頃だった。




季節は、夏真っ盛り。




もうすぐ夏休みとあって、みんなが浮き足立っているそんな時期。



『ね、千明!!夏休みにさ、この前の新作映画見に行こうよ!!』





私は、ニコニコ微笑みながらそう呟いていた。




瞬間、千明は嫌そうに顔を歪める。




『は?やだよ、どうせ美空が見に行きたいのって“アレ”だろ?』



千明が“アレ”と言うのは、この夏、絶賛公開中の人気ホラー映画。



超絶怖いと噂のその映画をホラー映画好きの私がほうっておくわけがない。





『え〜、いいじゃん!いこうよ!』