『ったく、もう少し、真面目に答えろよな』
『だって、あんまり興味ないもん。お兄ちゃんの片思いなんて』
パラパラと雑誌をめくる麻耶から発せられたその言葉にオレはピタリと固まった。
『だから、友達だって言ってるだろ』
『お兄ちゃんが今まで女になにかあげようとしたことも、ましてや女友達の存在なんかはじめて聞いたしね、好きなんでしょ?その人のこと、だからなんかプレゼントしてあげたいんじゃないの?』
『……』
そこまで言うと、麻耶はニヤリと笑ってオレを見る。
それもまるで、“図星でしょ?”と言わんばかりのどや顔で。



