―――…しかし、その日はそれだけで終わらなかった。 『…ねぇ…やっぱり付き合ってたらしいよ、あの2人』 『あー…だよねぇ…仲良かったしね』 ……。 私は、そんなヒソヒソ声に居心地が悪くなる。 どうやら、千明の“実は付き合っていました”発言は、放課後までには、全校生徒に広がっていたようだった。 歩くたびに噂されるなんてたまったもんじゃない。 だからと言って、今、千明を呼び出したりしたらどんな噂をたてられるのかわからないし…。 私は、おとなしくしているしかなくて途方にくれていた。