手紙を書く時に、すごく考えたことがある。
おめでとうなのか、ありがとうなのか。
結局、テンプレートのように卒業おめでとう!と締めくくってしまった手紙。
もちろんおめでたいことだけど、あたしが本当に伝えたいのは…
「出遅れた!!」
「会長くん?!」
ガチャッと大きな音を立てて開いたドアの向こうには、息を切らした会長くん。
「なんだお前も来たのか。生徒会と教師陣に足止めされてると思ったのに」
「置いてくなよ!わかってんなら助けろよバカ西野!」
「あぁ?なんでオレがわざわざお前のこと助けなきゃなんねーんだよ?」
「オレだって先生と挨拶したかったんだよ!わかんだろ!」
「そりゃあわかるけどな。だからこそお前に構っている暇はない」
「てめぇな」
「んだよ?なんか問題でも?」
「まぁまぁお二人さん。最後くらいは仲良くしましょうね。センセーもなんか言ってよー…センセ?!なに泣いてんの?!」