そう呟いた名良橋君の顔を、私は直視することが出来なかった。





それから、名良橋君は疲れて眠ってしまった由羽ちゃんをおんぶし、大きな荷物を持って帰って行った。

「おやすみ」の一言が、震えて。

名良橋君の背中が見えなくなるまで、ごめんと呟いた。



“バイクの免許を取ったら、一番に後ろに乗せて”。

そんな自分勝手な願いに重ね、更に自分勝手な願いを抱いてしまった。



――生きたい、と。