16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

「お兄ちゃんのお陰でお姉ちゃん元気になれたから、由羽ちゃんが好きなオムライス作ったんだけど、食べてくれる?」



そう言うと、由羽ちゃんは小さく頷いた。

由羽ちゃんと入った部屋の中では、名良橋君が心配そうにこっちを見ている。



「……何してんの、名良橋君」

「や、大丈夫かなって。ほら、2人の兄としては心配で心配で」

「誰が兄って?」



言いつつ、由羽ちゃんを名良橋君の隣に座らせる。

出来たばかりのオムライスとスープをテーブルに置くと、由羽ちゃんは目をキラキラと輝かせた。



「たべていい?」

「うん、いいよ」

「早坂、料理巧いんだな」

「名良橋君程じゃないけどね」



卵焼きが私より綺麗だったことが悔しくて、ちょっとだけ言葉に皮肉が混じる。