16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

急いで作らなきゃ、名良橋君が帰って来ちゃう。

3歳の女の子を、遊んで楽しそうなものがない部屋で待たせるのは可哀相だもん。





名良橋君がアパートに戻ってきた頃には、何とか一人分のご飯は出来上がっていた。

息を切らせた名良橋君がアパートに入ってくるのを見て、私は慌てて玄関に駆け寄る。



「どうしたの、この荷物……!」



名良橋君が肩にかけていたのは、行きは持っていなかったかなり大きな袋。

それを受け取り、床に置く。



「……布団だよ、昼寝用の……。週末は持って帰らなきゃなんねーから。後は、着替えとか諸々」

「そ、そう……。取り敢えず入ってよ。玄関は狭いから」



促すと、名良橋君は倒れ込むように部屋に入った。