16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

自転車の鍵を渡し、名良橋君の背中を玄関へと押す。



「ほら、由羽ちゃんも名良橋君のこと待ってるよ!」



そう言うと、名良橋君は頷いてスニーカーを履いた。

由羽ちゃんの好きなメニューを聞くと、オムライスと答えて名良橋君はアパートを飛び出していった。



そして私はキッチンへ向かい、冷蔵庫の中を確認する。

卵は残り一つしかないから買わなくちゃ。

ご飯も、炊いておとかないと。

あとは何がいいかな、そんなことを考えながら私は炊飯器のスイッチを入れた。





スーパーに行き、必要な食材を買ってアパートに戻る。

お金は実家から送ってもらっているのでいつもは無駄遣いは出来ないけど、今日は値段を気にしている場合ではなかった。