16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

卵焼きの形は、日頃から作っているのか私が作るよりも綺麗だ。

うーん、何でも出来ちゃう名良橋君が憎い。

それでいて優しくて格好いいなんて、ずるいよ。





名良橋君が起きたのは、6時を少し過ぎた頃。

名良橋君のケータイが鳴る音で目が覚めたらしい。



「ん……」

「……起きた?」



いじっていたケータイを置き、電気を付けに向かう。

すると名良橋君は、眩しさにか顔を歪めて頷いた。



「ケータイ、鳴ってるよ」

「んー……」



まだ虚ろな目を擦りながら電話に出た名良橋君。

こんな名良橋君って、もしかして貴重?

勝手に優越感に浸っていると、室内に名良橋君の謝罪の言葉が響いた。



「すみません、今から行きます!」