16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

夢の世界は、真っ暗だった。

そこに、一筋の光が現れて。

私がその光に触れようと懸命に手を伸ばしても、どれだけ走っても届くことはなく。

挫折しそうになったとき、目の前にも光が差してそこには名良橋君がいた。

名良橋君は、泣きそうな表情を浮かべている。

そんな名良橋君を笑わせたくて、何度も名前を呼んだ。

近付こうと、また走り出した。

なのに、やっぱり名良橋君も私が進む分離れていってしまう。

苦しくて、夢の中の私は何度も叫んだ。

行かないで、1人にしないで、と――……。





目が覚めると、窓の外はもう薄暗くなっていた。

流石に名良橋君は帰っただろうと、汗をかいたシャツを脱ぎ、電気を付けた――が、すぐに消す。